私は少し皮肉まじりにこういった。「あなたの年収が千六百万円だったら、転職の選択肢は非常に狭くなる。そこまで払える会社なんて少ないからだ。しかし、千二百万円だったら、選択肢は広がる。その年収であなたのキャリアを活かして働いてほしいという会社は多いはずだ」彼は私の話を聞いて、がっかりした様子だった。なぜなら、千二百万円の年収に我慢できずに私のところに相談にきたのであり、同じ年収なら転職の意味が薄れるからだ。
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その表情をみて、私は最後にこういった。「あなたはまだ五十代前半なのだから、あと十年は現役でやれる。どの道に進んだらいいかと悩んでいる段階で私に相談を持ちかけても仕方がない。やはり、自分はサラリーマン人生の最後に何をしたいのかをもっときちんと突き詰めて考えて、その答えが出てから相談にきてほしい。そのときに、改めて相談に乗りましょう」じつは彼だけではなく、このごろ、一流大学を出て三十年ものサラリーマン生活を送ったあげく、「自分の人生はこんなはずじゃなかった」という人が、なぜか増えているのである。もしかしたら、あなたもその一人なのかもしれない。